「筆耕の知識」の記事一覧
資格
賞状書きを仕事にする場合、資格が必ずしも必要とは限りません。資格がなければダメというものではありませんが、きちんとした知識がなければ、長年書道を学んでいて技術があったとしても賞状をいきなり書くことは難しいものです。 賞状書きには、独自の様々なルールがありますのでそれを熟知した上で、自分でレイアウトを考え、適した字体で筆耕する必要があります。仕事の場合は、依頼者から原稿の添削を求められたり、本文を考えて欲しいといわれる事があります。用紙のサイズについて、枠の種類について、色について・・・など、基本的な事をアドバイスできる程度の知識が必要となります。 資格(例えば賞状書士1級)を持っていなければ、仕事に就けない・仕事を受けられないという事はありませんが、やはりその資格が受かる程度の知識・技術は必要です。通信や学校など、学べる方法は様々ありますので、自分に合った方法で知識と技術を身につけて下さい。筆耕会社などに就職する場合、資格が信用につながりますので持っていて損はありませんが、資格があるから必ず就職できるというものでもありません。 賞状書きの場合も、その他筆耕関係の仕事の場合も、技術と知識・・・
印刷併用(複製印刷)
割りつけ
賞状は、原稿を見ていきなり表題から書き始められるものではありません。本文の区切りを考え、それぞれの大きさや配置を決定した後で書くものです。賞状用紙に直接鉛筆(2B程度のやわらかいもの)で線引きし文字を書き入れる作業を割りつけといいます。 筆耕後、文字がよく乾いた後に割りつけした箇所を消しゴムで消さなければなりませんので、割りつけは鉛筆で軽くうすく書きましょう。 割りつけの手順としましては、本文の区切り・各行の文字数を決定する。天と地の横線を枠から1cm程度余白入れた箇所に入れ、本文全体が用紙の中心に配置するように中心線とすべての行の中心線を書き入れます。その線をもとに文字を割りつけ、毛筆で書きます。
ライトテーブル(透視台)
賞状用紙の手配
賞状書きには賞状用紙が使用されますが、一般書道で使用する和紙とは異なる洋紙となりますので、洋紙に慣れる必要があります。紙の種類としては、ケント紙が一般的です。 自分で賞状用紙を手配する場合、ホームセンターやインターネットで購入できますが、気をつけたいポイントがいくつかあります。 1つ目は、用紙の厚さです。最近では賞状の印刷が普及し、プリンタ対応の賞状用紙が多く見られます。プリンタ・手書き兼用のものもあります。どちらもプリンタに通す為、用紙が薄口になっています。(鳳凰枠の場合、枠の印刷も金粉がついていない金の印刷の仕様になっています)手書き筆耕専用の賞状用紙は用紙が厚く、鳳凰枠に関しては金粉が付いているグレードの高い仕様になっていますので、手書き筆耕専用の用紙を購入して下さい。 2つ目は、サイズです。賞状用紙にはA版(A3・A4・A5など)とB版(B3・B4・B5など)があり、メーカーにより紙質や枠デザインならびに用紙の寸法に多少の違いがあります。 その賞状に適した用紙のサイズや色を把握し、縦書き専用のもの、横書き専用のもの、ロゴマークを入れる仕様の枠などありますので、購入時はよく確認し・・・
賞状用の硯
賞状筆耕に用いる墨
賞状に用いる墨ですが、使用する量は少量となりますので良質なものを選びましょう。 墨の種類は油煙墨(ゆえんぼく)を使用します。純油煙墨が理想です。 墨のすり方ですが、硯に清浄な水を数滴(少量ずつ)注いで、墨を少し手前にねかせて軽く静かにすります。充分に濃くなったら硯の海へ落とし、また数滴の水を硯の陸に注いですります。一度にたくさんの水ですったり、力強くすったり、早くすることは墨の粒子が均一にならず、墨汁が粘ったり、発色が悪くなってしまうので厳禁です。 長時間にわたり同じ墨を使用していると、水分の蒸発により墨の濃度が高くなり、筆の方も乾燥により墨の流れが悪くなってしまうので、時々水を加える必要があります。少量でよいので、スポイトなどで数滴足して混ぜて下さい。 すり終わった墨は乾かないうちに拭い、桐箱に入れて保管することで、湿気を防ぎ変質をさけヒビ割れなども防止できます。 墨汁(液墨)も色々な種類が販売されていますが、これは墨をする時間も必要なく、常に一定の墨色が得られるのが利点です。この場合も、色艶の良さ・乾きの良い良質なものを選んで下さい。